「多満自慢」酒蔵見学も楽しめる開かれた酒蔵
今回は、花見も兼ねて東京都福生市熊川にある石川酒造を訪ねてきました。石川酒造は現在のあきる野市で1863(文久3)年創業。1880(明治13)年に現在地に移転しました。花見はどこかというと毎年「ふっさ桜まつり」が行われている多摩川堤防です。まずは酒蔵見学の予約をしていたので、拝島駅から15分ほど歩いて酒蔵に到着しました。
石川酒造内の売店「酒世羅」で参加費用700円を払い、蔵の建屋に集合です。蔵ではもう仕込み作業は行われていませんでしたので、タンクに囲まれながらパネルを使った説明になりました。ウエルカムドリンク的に「多満自慢 純米無濾過」をいただいて、酒造りに関する事柄を10分ほど説明してくれます。
説明が終わると、登録有形文化財に指定されている蔵の建物や社長の18代目石川彌八郎氏のお住まいなどを外側から拝見します。敷地内には玉川上水熊川分水の澄んだ水が流れていますが、日本酒やビールの仕込水は地下水で、蔵には水道が通っていないそうです。樹齢400年を超える夫婦欅には大黒天と辨天様が祀られています。
ちなみに現在は18代目ですが、代々戸籍から名前を変更してきているそうです。王子様という名前の男性が名前を変えましたが、こちらは商売を続けていくうえでしきたりを守っての改名ということですね。
5種の銘柄を試飲できる
試飲会場に入ると一人ひとつずつおちょこがもらえますが、実際に飲むのはガラスの器です。先ほど説明を受けた精米歩合30、50、60、70%のお酒と梅酒が用意されています。まずは「大吟醸」から。純米が付いていませんのでアル添です。吟醸香にスッキリ旨味。「キレイなお酒ですね」と言えば間違いないと言われましたので「キレイなお酒です」(笑)
次に50%精米「純米大吟醸 たまの慶」瓶燗火入れです。大吟醸に比べてスッキリ度が増しており、クセがなくスーっと入ってしまうなめらかなお酒です。続いて60%「純米原酒あらばしり」。フルーティな香りと味わいにほんのりガス感が感じられます。旨味も強めの原酒ですが、個人的にはこれが一番美味しかったです。70%「しぼりたて純米生原酒 かめぐち」は槽で搾った酒をそのまま瓶詰めしたものです。原酒なので、アルコール度数は17度以上18度未満と少し高めなうえ甘味が強く、量を飲むという感じではありませんでした。実はウエルカムドリンクの「純米無濾過」はこの「かめぐち」に加水したものだそうで、こちらのほうが呑みやすいです。最後に梅酒をいただいた後、気になるお酒をいくつかおかわりして夢の時間は終わりました。
朝方はくもっていて肌寒かったのですが、晴れ間が出て気温も高くなってきたところで石川酒造からほんの5分ほどの多摩川堤防に向かいました。予定では満開のはずだったのですが、数日前から気温が下がってしまったため、6分~7分咲きといったところでしょうか。それでもいくつかは満開の木もありましたので、少し写真をごらんください。
同じ青梅線沿いですと奥多摩のほうに「澤乃井」もありますが、拝島は立川から12分と近いので、いい日帰りレジャーになりましたね。見学に行った回数によって、おちょこからとっくり、升、日本酒ともらえるお土産が変わってくるということですので、また訪れてみたいと思います。