「島の華」香ばしい麦の香りがする八丈島の焼酎
今回は、八丈島八丈町で1925(大正14)年創業の樫立酒造です。現在、八丈島には八丈島酒造、八丈興発、坂下酒造、樫立酒造の4蔵があって、芋や麦で焼酎を造っていますが、その起源は、1853(嘉永6)年、密貿易の疑いで八丈島に流された薩摩の廻船問屋、丹宗庄右衛門が島のさつま芋を使って焼酎を作ったことによっています。
本日伺った店で呑んだのが、この店で一番売れているという「島の華」です。平成9年に銅製のポッドスチルを導入して品質を安定させました。そんな麦焼酎ですが、少しトロッとしています。香ばしい麦の香りがほどよく感じられて美味しいです。「兼八」とまでは言いませんが、少し「佐藤麦」のイメージもあります。この二つはとても好きな焼酎なので、この「島の華」も好きな銘柄に追加です。
お店がタバコ吸い放題だったので香りが感じられず、残ったボトルを家に持って帰って呑んでみると香ばしい香りが感じられました。全面禁煙とは言いませんが、店の環境というのはとても大切ですね。
ソムリエの田崎真也さんは東京都の島の焼酎がお好きで、青ヶ島の「青酎」などをよく紹介されていますが、私的にはこの焼酎を薦めたいです。そのくらい気に入ってしまいました。でも、焼酎カテゴリーの中でという但し書き付きですけどね。
店にあった八丈島の焼酎です。左から八丈島酒造の「八重椿」(麦芋)、「島の華」(麦)、八丈興発の「情け嶋」(麦)です。写真のない坂下酒造は「黒潮」という銘柄を造っています。「八重椿」と「黒潮」は麦と芋のブレンド焼酎で、麦の生産量が少なかった伊豆七島では普通にありますが、全国的に多いわけではなく、鹿児島では「魔王」を作っている白玉醸造の「元老院」という銘柄が有名なくらいでしょうか。ですが、「元老院」よりは八丈島を含む伊豆七島の焼酎のほうが手に入りやすいので、ご興味がある場合はそちらをオススメします。