「アルプスワイン」辛口がいい日本ワイン
今回はたまたま家にあった「信州 桔梗ケ原」というワインを飲んだので、長野県塩尻市で1927(昭和2)年創業の株式会社アルプスをご紹介します。長野県の中北部はもともと痩せた土地が多かったため、戦前は満州に移民した方が最も多いところとなりました。ですが、山梨県甲州市と同様、ブドウやリンゴなどの果物の栽培には適していたため、ワインを造るようになった経緯があります。
日本ワインで「桔梗ケ原」というと、メルシャンのボディのある高級ワインが思い浮かびますが、こちらの「信州桔梗ケ原コンコード2018」はグレープジュースのような甘い香りに甘い味わいです。あまりにも呑みやすいため呑みすぎてしまいがちなのに、アルコール度数が12度あるヤバいワインです。確かに裏ラベルでも甘口に振れていますし、デザートとしての食後酒にいいと思います。
ここまで、あまり評価していないように感じられると思いますが、私があえてこのワインを取り上げたのは、実は当ブログでも触れている「涸沢」紀行で宿泊した上高地の大正池ホテルで呑んだワインもアルプスワインだったからなのです。
「星降るホテル」ブランドで出されているこれらのワインは赤、白ともに「辛口」に振れていて、とても美味しかったです。ベーリーAは甘薄な感じがして苦手なのですが、このブラッククイーンと善光寺竜眼はキッチリとした深い味わいがありました。宿泊初日に白を呑んでみて赤も呑みたくなり、注文した次第です。
大正池ホテルに行かれた際にはぜひ呑んでいただきたいのですが、「桔梗ケ原コンコード」はやはり、ブドウの種類の問題なのでしょうか? ぜひドライな方向で醸していただきたいものです。
「ソガ・ペール」の小布施ワイナリーやココ・ファーム、勝沼醸造など、世界で勝負できるワイナリーが出てきている日本ワイン界です。これからどんどん素晴らしいワインが登場してくることを期待しています。