奥入瀬渓谷と「陸奥男山」
前回は「陸奥八仙」ということでしたが、今回は「陸奥男山」を購入する機会となった「奥入瀬紀行」を思い出してみました。
奥入瀬はご存じのとおり、青森県にあります。私はとても遠いというイメージをもっていたので、そうそう行けないと思っていました。
が、JR東日本の東北キャンペーンでツアープランなどを見ていたら、京都と同じくらいの時間で行けることがわかり、ちょうど紅葉の時期でもあったので、ぷらっと行ってみた次第です。
ぷらっとと言っても仕事の都合がありましたので、11月上旬になってしまい、紅葉ギリギリかなと若干不安をともないながらチケットの予約です。
朝7時38分上野発の「はやて23号」に乗れば、10時30分には八戸着。そこでレンタカーを借りて、一路奥入瀬へ。
おっと、その前に、八戸の売店で4合瓶の地酒を購入したのは言うまでもありません。
それが八戸酒造の「陸奥男山」金の生、青森産の酒米「まっしぐら」100%の純米酒でした。
奥入瀬に行く道自体が何本もなさそうなので、ナビを設定しないで走り始めると、十和田湖の表示。奥入瀬渓流は十和田湖の水が下流に流れているので、そっちに向かえば間違いないだろうと左折すると、それはメインの道ではなく、山道を通っていく交通量のない道でした。
途中には、キリストの墓などもあり、それはそれで面白かったのですが・・・・・・。
私の旅にはなぜか嵐がつきもの
旅の前の下調べで、「奥入瀬ろまん新聞」というサイトの情報をチェックしていたのですが、出発前日に「低気圧が通過して落葉してしまった」と書かれていたのに加え、当日は低気圧が通過した後の強風で、半ばあきらめ気味で向かっていましたが、途中の山道はまだ紅葉まっさかり。奥入瀬渓流を経由せずに十和田湖に出ると、湖畔の道もきれいな紅葉で、荒波の十和田湖と道路にちらばる強風で折れた枝がなければとてもいい感じでした。
ふつうの行程とは逆に、奥入瀬渓流の起点の子の口を右折し、銚子大滝の付近にある駐車帯に車を止め、まずは銚子大滝から。
上のほうに若干紅葉というか黄葉が残ってます。奥入瀬は紅葉というより、ブナなどの黄葉のほうが多いようです。
今回の目的のひとつに、奥入瀬渓流の写真を見ると、よく水が白い雲のようになっているものがあって、私もそれをやってみたいと思ったことがありました。
上の銚子大滝もそんな感じに撮れているのですが、それがうまくいったのが、これ。
銚子大滝に流れ込む流れを撮影したものです。
初めてなので、とりあえずこれで満足し、渓流散策に向かいます。
初日は奥入瀬渓流の途中、玉簾の滝まで行き、そこから銚子大滝に戻るコースを取りました。渓流なので、下流から上流を撮るほうが迫力があるからです。
玉簾の滝の先にある休憩ポイントから撮ったものです。この辺は流れが緩やかで渓流という感じはしません。
上の写真はけっこう紅葉しているように見えるかもしれませんが、おおむねこんな感じで、時折紅葉した木があるという感じでした。
ご覧になるとおわかりのように、水の透明度が高く、落ち葉が流れていくさまがとてもきれいです。奥入瀬渓流の水は十和田湖から流れ込んでいますが、十和田湖自体は火山が2回噴火してできた二重カルデラ湖で、山から流れ込む水がなく、湖底から湧き出る水が溜まってできているため透明度が高く、日本の湖の透明度で第10位を誇るようです。
十和田湖を背に見た、奥入瀬渓流の入口です。夕陽を浴びて赤く染まっています。
銚子大滝に到着してから3時間強、夕刻が迫り、風も冷たいので、残りは明日ということでホテルに向かうことにしました。
温泉につかり、購入した日本酒を飲んで就寝です。
奥入瀬渓流ホテル(ホテル内には岡本太郎作の彫刻が二つあります)
ようやくすっきりした晴天
翌朝は風もない快晴。張り切って散策に向かいます。まずはホテルの無料送迎バスで下の写真、「三乱(さみだれ)の流れ」まで行き、そこから雲井の滝に向かって歩きます。
奥入瀬渓流には、名前の付いた急流がいくつかあり、三乱の流れは最も下流にあります。
そこから休憩所のある石ケ戸、最も人気のある「阿修羅の流れ」と続きます。
散策用の道はとても細く、すれ違うのもやっとのところがありましたが、ハイシーズンを外しているので、観光客はまばらでした。紅葉は少なかったですが、自由自在に往復することができたので、満喫感はとてもありました。
雲井の滝でホテルの送迎バスに拾ってもらい、ホテルでレンタカーに乗り込みます。
最後に、一番紅葉していたのはホテル付近の奥入瀬川でした。
山頂もまだまだ紅葉していました。
2日間のレンタカー走行距離は170キロで、ちょっとしたドライブといった感じでしょうか。八戸駅でレンタカーを返却したあとは、もう酒しかありません。
駅ビルにある店でイカ、マグロの刺身、イカコロッケというのもありました。サンマ焼きなどを堪能し、最後は八戸ラーメンでシメ。
もちろん酒ものみましたよ。
下のメニューから、東京で見かけないものを中心に3銘柄。「亀吉 純米吟醸」(中村亀吉)、「八鶴 無濾過生純米吟醸」(八戸酒類)、「桃川 淡麗純米ねぶた」(桃川酒造)。
どれもすっきりとした辛口で、飲みやすかったですが、この時点で桃川のねぶたを飲んでいたことを思い出しました。以前ご紹介しました「スーパーで買う日本酒」で桃川を選んでいたのはここに原点があったのかもしれません。
この旅では若干シーズンを外してしまったので、みなさんが奥入瀬に行かれる向きには10月下旬、もしくは5月の新緑の季節をおすすめします。